「未来とは、今、何をするかによって決まる。」-マハトマ・ガンジー-
こんにちは、これまで政治や国の制度などにまったく関心がありませんでしたが、結婚や子供の誕生、父親の入院をきっかけに、さまざまな制度に目を向けるようになりました。
今回は「遺族年金の改正」について調べてみました。今後の生活にも関わる大事なことなので、どんな意図で改正されるのかについても考えてみました。
🔖【目次】
1. 遺族年金とは?制度の基本
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働き手が死亡したときに、遺族の生活を支える公的年金。
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主な対象は、配偶者・子・父母・孫(条件あり)。
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種類:
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遺族基礎年金(国民年金):子のいる配偶者または子に支給。
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遺族厚生年金(厚生年金):会社員等の被保険者の死亡で、配偶者や子などに支給。
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2. 遺族厚生年金と遺族基礎年金の違い
項目 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
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加入制度 | 国民年金(自営業など) | 厚生年金(会社員・公務員) |
支給対象 | 子のいる配偶者 または 子 | 配偶者・子・父母・孫(条件あり) |
性別の制限 | 基本的になし(父子家庭にも対応) | 現行は「妻」が中心(夫は制限あり) |
支給額の計算方法 | 定額(年約79万円+子の加算) | 報酬比例部分(元の年収に応じて変動) |
3. 2028年の改正内容まとめ(遺族厚生年金のみ対象)
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若年の子なし配偶者への支給:原則5年で打ち切りに
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中高齢寡婦加算の廃止:新規対象者は受け取れなくなる
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男女差の是正:女性に多く支給されてきた制度設計を見直しへ
4. 中高齢寡婦加算の廃止
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子育てが終わった50歳以上の女性への加算制度を廃止
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過去の家庭モデル(専業主婦前提)に基づいた制度の見直し
5. 若年配偶者への「5年支給制限」
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子どもがいない30代以下の遺族などが対象
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配偶者の死後5年をめどに支給打ち切り(就労支援への切り替え)
6. なぜ男女格差の是正が焦点になったのか
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制度的に「女性=扶養される側」という前提が残っていた
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男女共働きが主流となる中、「女性優遇型」制度が不公平との声も
7. 今回の改正で対象外になる人
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2028年4月以降に遺族になった配偶者(一定条件)
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子のない若年寡婦・寡夫
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今後亡くなる高齢夫の妻も中高齢寡婦加算の対象外になる可能性
8. 財源の観点から見た政府の狙い
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高齢化・少子化により年金財政は圧迫中
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中高齢加算の廃止・若年支給制限により年間数百億円規模の支出削減が見込まれる
9. 将来的に遺族基礎年金も改正される可能性は?
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現時点では改正対象外
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ただし、過去の制度改正の流れから見ても、将来的に見直しされる可能性は高い
10. なぜ遺族厚生年金から先に改正されたのか
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対象者が限定的(主に会社員の妻など)で反発が比較的抑えられる
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「一気にやると大反発を受ける」ための段階的改正戦略
11. これまでの制度改正の流れと方向性
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1990年代以降、「専業主婦前提」→「共働き前提」へと制度が移行中
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今後も「家族モデルに依存しない制度設計」へシフトしていくと考えられる
12. 政府の“本当の狙い”は財源確保なのか?
遺族年金の見直しは「男女平等のため」とされていますが、実際の政策内容を見ると、本当の狙いは年金支出の抑制=財源確保にあると考えられます。
🔍 なぜそう言えるのか?
✅ 高齢化による年金財政の逼迫
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現役世代の減少と高齢者の増加により、年金制度そのものが維持困難になりつつある
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国は「長く・広く・少しずつ」支出をカットしようとしている
✅ 静かな対象縮小が続いている
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今回の改正は、対象者が比較的限定的(若年・女性中心)で、社会的反発が起きにくい範囲から始められている
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中高齢寡婦加算や若年配偶者の無期限支給といった長期支給制度を廃止または縮小
✅ 政策の建前と実質がズレている
建前 | 実質 |
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男女の不平等を正す | 実際は「女性優遇だった部分」を削るだけ |
時代に合った制度設計 | “コストがかかる古い制度”を削減する口実 |
就労支援への転換 | 年金を減らす代わりに「働け」という方向転換 |
💰 財源確保の規模はどれくらい?
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中高齢寡婦加算の廃止、若年配偶者の支給期間制限によって、年間で数百億円規模の支出削減が見込まれるとされる
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今後さらに、「他の加算制度」「遺族基礎年金」なども対象になれば、より大きな削減に…
🎯 結論
✅ 政府が遺族年金を改正する“もう一つの本当の理由”は、少しずつ年金支出を減らして、財政を維持するためだと思います。
もちろん制度を永続的に守ることは重要です。しかしそれと同時に、国民の生活に本当に必要な保障が削られていないか、私たちは目を光らせ続けなければなりませんね。
13. 国民にできることは?今から備える5つの行動
🗳 1. 選挙に行く(とくに国政選挙)
制度を決める国会議員を選ぶのは私たちです。
どの政党がどんな社会保障政策を掲げているか、一票の重みを再認識しましょう。
📝 2. パブリックコメントで意見を出す
厚労省などが制度改正前に意見募集を行うことがあります。
誰でも提出可能で、意見が多ければ影響力が高まります。
📣 3. SNSや地域メディアで発信する
静かに進む制度改正ほど、可視化されることで立ち止まらせることができます。
特に遺族年金のような問題は、無関心層にも届く言葉が必要です。
👥 4. 議員・自治体に声を届ける
メールや意見書など、地元議員に「生活者の声」を伝えることは政治を動かす力になります。
📚 5. まずは知り、周りに伝える
「知らなかった」では損をします。
親、配偶者、友人と一緒に制度を知ることで、備えることができます。
14. 私たちの生活は本当に良くなるのか?
最近の制度改正を見ていると、「公平性」や「財政健全化」という言葉の裏で、生活者の視点が置き去りにされているようにも見えます。
支給対象の縮小や加算の廃止は、実質的な“保障の切り下げ”とも言えます。
税金の使い方や無駄をしっかり精査する前に、生活者の支援が削られていくこの流れは、今後も続く可能性が高いでしょう。
正直、これからの時代は「国が面倒を見てくれる」わけではなさそうです。
**“自分の生活は自分で守る”**ことが求められる時代へ、私たちは突入しているのかもしれません。